自作PCのWindows11対応
2018年10月頃にゲーミングPCの組立に挑戦した。その頃はWindows8時代である。その後Windows10が発売され、無料でアップグレードできるようになった。最後のOS?とのうわさもあったが2021年に入りWindows11が発売され、Windows10は2025年にサポート終了する。Windows11にも無料でアップグレードできるが、ハード要件が設けられた。
ハード要件を自動で調べてくれるソフトがあるので早速試すと、TPM2.0というものが有効になっていないとの理由で弾かれてしまった。このTPM2.0に対応させる方法はないか調べる必要があった。
現在のPC情報
現在のPCの構成を下表に示す。
項目 | メーカー | 型式 | 備考 | 価格 |
CPU | Intel | BX80648I75820K | Core i7-5820K 3.3GHz 6コア12スレッド | 45,050 |
Cooler | CRYORIG | R1 UNIVERSAL | 12,950 | |
M/B | ASUSTek | X99-DELUXE | LGA2011 ATX | 45,339 |
メモリ | Crucial | CT4C4G4DFD8213 | 16GB Kit (4GBx4) DDR4 2133 MT/s (PC4-17000) ( CL16 SR x8 Unbuffered DIMM 288pin ) | 27,245 |
グラボ | MSI | VD5507 GTX 970 GAMING 4G | 47,066 | |
ストレージ | Crucial | CT512MX100SSD1 | 22,600 | |
光学ドライブ | パイオニア | BDR-209JBK | SATA内蔵 BD-R 最大16倍速書込み ハニカム構造 BDXL対 | 12,490 |
電源 | CORSAIR | CP-9020062-JP(RM1000) | 80PLUS GOLD | 20,225 |
ケース | CoolerMasterCM Storm Stryker | SGC5000WKWN1JP | フルタワー | 23,580 |
ディスプレイ | LG | 27UD68-W | 27インチ/4K(3840×2160)/IPS 非光沢/HDMI×2、DisplayPort/ブルーライト低減機能 | 57,745 |
現状のまま対応できるか検証
X99-DELUXEにはTPMピンが搭載されている。当時のASUSはオプションでモジュールをつけてTPMを有効にするやり方だったみたいだ。X99-DELUXE取扱説明書を確認すると、TPMヘッダー20-1PINが搭載されている。
一応この規格のTPMモジュールは売られているようだ(Amazonページ)。
しばらく世の中の流れをみていると、「ASUSマザーボード、Windows 11に対応する方法を公開」という情報が出ていた。ASUS公式ホームページにリストが掲載されているが、X99チップセットは含まれていないことがわかった。つまりTPMモジュールを取り付けたとしてもメーカーは保証してくれない。そもそもX99が対応していないとする情報も見つかった。X99が発売されたのが、2014年8月頃(Wiki参考)であり、TPM2.0が標準化されたのが2016年5月頃(参考URL)であるため、対応していないのが普通か?
レジストリをいじることでWindows11のハード要件を回避してアップグレードする方法はある。しかしMicrosoftとしては何も説明されていないため、今後も問題なくWindows11がアップデートできるとは限らない。
ASUSとしてはX99の後継であるX299が対応しているとのことなので、少しの投資でWindows11対応にできないか調査することにした。
検証(最小限のハード変更で検討)
CPUとマザーボードから、影響範囲を確認
ASUS Windows11対応リストによるとX99の後継であるX299はTPM2.0に対応している。これに変更できないか確認した。
X99-DELUXEのCPUソケットはLGA2011-v3である。X299のCPUソケットはLGA2066であり、PIN数が違い対応していない。そもそもLGA2011-v3が搭載されているのはX99のみのようだ(Wiki LGA2011)。やはり基本的にマザーボードを変えるならCPUもセットと考えるしかない。
影響を最小限にするための情報集め
マザーボードとCPUの変更をするのであれば、できるだけその他の部品を交換せずにできるだけ新しいマザーボードとCPUに変更した方が良いだろう。そこで昨今のハードの進化を確認していく。
- メモリはDDR4を採用しているが、最近はDDR5が出てきている。しかし、まだまだ種類は少なく過渡期であると考える。DDR4のマザーボードでも最新のものを選択できそうだ。
- グラフィックボードはPCI-Expressから特に新しい規格は出ていないようだ。コロナ禍による半導体高騰によりとんでもない値段になっているので、新調は難しい。
- その他接続は、SATAは現役、NVMeにはPCIe4が出てきている。PCIe4はPCIe3と互換性があるため特に気にしなくてよい。どうせアップグレードするなら理論速度がPCIe3の2倍になっているPCIe4対応させてプライマリディスクをそれにしたい。
- 電源についてはRM1000を選んでいるため、十分のはず。今でも300Wぐらいしか使ってなかったはず。
チップセットについて
現在のIntelの最新チップセットはZ690である。Z590が1世代前になる。X99はハイエンドモデルなので、同じくハイエンドのZシリーズにしたい。
CPUのメーカーについて
メーカーは今まで通りIntelを選択する。調べたところ少し前にAMDがIntelを抜いたとか?私のAMDのイメージからは信じられないが話だが。現在では、Intel製は万能、AMD製は動画編集という感じらしい。ゲームソフトはIntelのCPUで最適化されているものが主流であるためゲームメインであればIntel製が無難とのことである。動画編集する予定はないのでIntelにする。
マザーボードの選定
マザーボードのメーカーは最大手のASUSにしようかと思う。
ASUSのマザーボードにはそれぞれグレードがある(ASUSマザーボード製品ページ)。
IntelのZシリーズ対応の製品は、上位グレード順にROG > TUF > PRIME となるようだ。CPUのオーバークロックやハイクロックメモリができるのはROGシリーズのみである。X99では時間があまりなくて出来ないなと思いながら忘れてしまい設定すらしないというもったいないことをしてしまったため、今回は絶対にやりたい。ROGシリーズ一択である。
マザーボード | 価格 | 検討 |
ROG MAXIMUS Z690 APEX | 89,000 | Z690 DDR5 |
ROG STRIX Z690-G GAMING WIFI | 44,681 | Z690 DDR5 |
ROG STRIX Z690-A GAMING WIFI D4 | 41,306 | Z690 DDR4 |
ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI | 44,980 | Z690 DDR5 |
ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI | 53,055 | Z690 DDR5 |
ROG MAXIMUS XIII APEX | 38,762 | Z590 DDR4 |
ROG STRIX Z590-E GAMING WIFI | 23,800 | Z590 DDR4 |
ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI | 27,071 | Z590 DDR4 |
ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI | 41,770 | Z590 DDR4 |
※価格.comの価格を参照(2022/3/15)
価格に明確な違いがあることとDDR4メモリにしたいので1世代前のZ590とするのがよさそう。オーバークロックはSTRIXシリーズでも可能であるため、Z590-EかZ590-Fが良い感じである。EとFの違いをレビューしているサイトが見つからなかったがスペックを詳細に見ていると、Eの方が1か月後に発売されており、基板構成がoptimem2と3の違いと、LANポートがEのほうが2つついているという違いがある。新しい方のZ590-Eを選択する。
CPUの選定
CPUソケットは、LGA1200である。現在のCPUよりも確実にベンチマークが良いものを選択した。i7-11700Kならベンチマークが今の3倍ぐらいで、値段も5万円を切っており悪くないため、これにする。
CPUクーラーについて
LGA1200とLGA2011で互換性があるかどうか、すぐには出てこなかった。既存のクーラーはR1 UNIVERSALであるが、この対応ソケットは、LGA2011-3/2011/1366/115x/775である。一方でR1 UNIVERSAL V2にはLGA1200対応の表記があった。この両者のCPUに対する仕様変更はないので対応している可能性は高い。更に調べると、LGA155xとLGA1200のサイズは一緒であることから互換性ありと判断した。グリースのみ購入すれば使えそうだ。
CPUグリースについて
グリースについてもどの程度のグレードが必要か調べる必要がある。R1 UNIVERSALに付属しているグリースはCP9というものであったが、どの程度のグレードかが調べても出てこなかった。質感的にはシリコングリスのような感じがあるが・・・
下記のサイトで、CP9を検証していた。冷却効果はGC-EXTREMEというグリースと同等みたいだ。
価格.com – 『付属グリス(CP9)検証してみました』 CRYORIG R1 ULTIMATE のクチコミ掲示板 (kakaku.com)
GC-EXTREMEの熱伝導率は8.5W/m・Kである。よって、10W/m・K程度、耐熱250℃、絶縁で1g以上を用意する。
新たに用意したもの
項目 | 部品型式 |
M/B | ROG STRIX Z590-E GAMING WIFI |
CPU | インテル® Core™ i7-11700K プロセッサー |
CPUグリース | SMZ-01R |
作業
システムのクローン
PC分解
PC組立
起動
TPM2.0有効化
セキュアブートを有効化する
その他(X99-DELUXEのBIOS設定キャプチャ)
結果
CPUスコアが倍になっているが、グラフィックのスコアに変化がないのでトータルとして200ぐらいの向上に留まった。半導体不足が落ち着いて安くなったら購入したいな~(GeforceのRTX!!)。
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